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企業役員の横領、芸能事務所の資金流用、ファンクラブの会費問題まで。 横領という言葉は、もはや経済面を越えて芸能面でも馴染みがない。
興味深いのは、この事件の相当数が「盗む」という計画から始まらないという点だ。 「ちょっと使って、埋めればいいんだよ」 「どうせ僕がもらうお金があるから」 業務上の横領は、たいていこのような安易な判断の境界線上に生まれる。

刑法第356条の業務上横領罪は、10年以下の懲役または3千万ウォン以下の罰金に処される決して軽くない犯罪だ。 利益額が5億ウォンを超えると、特定経済犯罪法が適用され、3年以上の懲役、50億ウォン以上であれば、最大無期懲役まで可能だ。 ところが裁判所の判断を覗いてみれば、有罪と無罪を分ける基準は金額の大きさではなく「不法領得意思」、すなわち他人の財物を自分のもののように処分しようとしたのかにある。
最高裁は、公費や業務推進費のように裁量が広く付与された金に対し、使途を説明できないという理由だけで横領を認めることはできず、個人的使用や過多支出が証明されなければならないと判示した(最高裁2011も524判決)。 下級審でも集金用口座から小額を振り込んで残額を復旧しておいた職員に、口座用途が厳格に制限されておらず明示的指針もなかったという理由で無罪を宣告した事例がある。 同業資金を引き出したが、既存の貸与金債権の返済と見る余地が大きかった事件も無罪だった。
反対の事例は明確だ。 法人口座のお金を生活費に振り込んだ管理者、宗中資金9千万ウォンを個人事業に使った総務、自身の刑事事件弁護士選任料を組合金として出した組合長は全て有罪を避けられなかった。 金の流れが組織の目的を離れて個人の懐に向かったという事実が証拠として残ったためだ。

これらの判例が我々に示唆するところは2つある。
第一に、組織を運営する人々には「規定の力」だ。 法人カードと業務推進費の使用範囲、承認手続き、精算期限を文書で明確にしておくだけでも相当数の紛争と誤解を予防することができる。
第二に、資金を扱う人々には「記録の力」だ。 理事会決議、精算合意、返還内訳のような記録は後日、自身の潔白を証明するほぼ唯一の手段になる。
お金の問題は信頼の問題だ。 そして刑事法廷で信頼は言葉ではなく書類で証明される。 「会社のお金」と「私のお金」の境界が曖昧になる恐れがあるならば、その時がまさに記録を残して手続きを踏まなければならない瞬間だ。 安逸さが法廷につながることは、思ったより私たちの近くにあるからだ。

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